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チケットをいただき、人生で初めて歌舞伎座へ足を運びました。
まるでこの世ならざるものと一心同体になったかのような、独特な足取り、呼吸の使い方、そして役者同士の張り詰めた掛け合い。その圧倒的な表現力に、深く心を揺さぶられました。
自分は『本当は何も知らない』のだと考える
未知の芸術に触れたことで、私の中に一つの静かな確信が生まれました。
それは、「自分は本当は何も知らないのだ」という瑞々しい感覚です。
私たちは何かを学ぶ体験をするまでは、誰一人として何も知らない状態でこの世界に生まれてきます。
かつての人々は、この地球の周りを太陽が回っていると信じて疑いませんでした。現代においては、太陽の周りを地球が回っていることが科学で証明され、それが一般常識となっています。しかし一方で、地球は球体ではなく平らであるとする「フラットアース説」なども、視点を変えれば非常に興味深い世界観を提示してくれます。
社会の枠組みの中で知識を活用することには賛成です。しかし、世間の「一般常識」という物差しをそのまま自分の内側に当てはめてしまうと、私たちは自分自身のことをすべて知ったつもりになってしまいます。
常識に自分を当てはめる行為は、常に他者と自分を比べる行為へと繋がっています。それはいつの間にか、潜在意識の中に「良い自分」と「悪い自分」という不自然な分断を生み出していくのです。
勉強ができないと価値がないと思い込む自分。
人に優しくできない日を責める自分。
迷惑をかけてばかりで駄目だと俯く自分。
これらはすべて、常識という檻に囚われ、無意識のうちに自らを否定し続けているサインに他なりません。
視点を変えましょう。
「そんなことはもう知っている」と心を閉ざし、自らの思い込みから生まれる怒りに振り回され、世界のすべてを敵に回して生きる人。
一方で、「自分はまだまだ知らないことばかりだ」と素直に認め、たとえ一度聞いたことのある話であっても、「そうなんだ」と新鮮な気持ちで受け入れられる人。
どちらの生き方が、より洗練され、幸福に満ちているかは明白です。これは決して自分の意見を持たないということではなく、世界に対して知的な謙虚さを持つということです。
もし、あなたが何かに深く悩み、そこから抜け出せないでいるのなら、明日の朝、目が覚めたときにこう呟いてみてください。
「私は、本当は何も知らない」
あらかじめ決めていた枠組みを外すことで、思いもよらない場所から答えが舞い込んできたり、当たり前だと思っていた日常に深い感謝が湧いてきたりします。世界は再び、ワクワクとした感動に満ちた場所へと姿を変えるはずです。
大切なのは、「悩みを消し去ろう」と躍起にならないこと。ただ、無知である自分を心地よく受け入れるだけでいいのです。あなたの佇まいは自然と本来の輝きを取り戻し、人生の歯車は美しく回り始めていきます。














