4行日記を知っていますか?

2019年5月18日 心と潜在意識

人生のテーマについて葛藤し、向き合うことはとても大切なプロセスです。しかし、私たちの「思考」には、ある厄介な特徴があります。それは、物事をすべて「自分の都合の良いように切り取って解釈する」という特性です。

「結果Aになった原因は、すべてBにある」

たとえば、子どもが勉強しない家庭を例に挙げてみましょう。
子どもの視点から見ると、
「僕が勉強しないのは、お母さんが口うるさく怒るせいだ!」
お母さんの視点から見ると、
「あなたが勉強しないから、私が口うるさく言わなきゃいけないのよ!」

このように、お互いが自分に都合の良いスタート地点を選んで解釈します。これを心理学や家族療法では「直線的因果論(ちょくせんてきいんがろん)」と言います。

【人間関係をこじらせる「ニワトリと卵」の罠】

人の悩みの大半は「人間関係」と「お金」の問題に行き着きます。
特に、対人関係や家族関係をこの直線的因果論のメガネで捉えていると、物事の本質を見ることが極めて難しくなります。お互いに「自分が都合の良い言い分」しか話さないため、問題はいつまで経っても平行線のまま、解決することはありません。まさに「ニワトリが先か、卵が先か」という不毛なループです。

たとえば、4人家族のうち、お子さんの一人が登校拒否(ひきこもり)をしているとします。
家族それぞれに話を聴くと、全員が自分のメガネ(直線的因果論)で相手をジャッジしています。しかし本質は違います。その子が悪いわけでも、親の育て方だけが悪いわけでもありません。家族という一つの「システム」のバランスが崩れた結果、たまたまその子が繊細にバランサーの役割を引き受け、問題を具現化してくれているだけなのです。

ほとんどの人は、その「問題を起こしている本人」だけをどうにかしようとします。しかし、それでは一向に解決しません。問題の背景には、家族全体の深い「循環」があるからです。
何か一つのポイントだけを犯人に仕立て上げてコントロールしようとすると、状況はどんどん苦しくなります。逆に言えば、全体の循環システムなのだから、「誰からでも、どこからでも関係を改善していくことができる」ということでもあります。

【成果が上がらない人の特徴と、アウトプットのサイクル】

この直線的因果論というメガネのせいで、私たちの視野は驚くほど狭くなっています。まずは、この狭いメガネを外していかなければなりません。
心は身体に影響し、身体もまた心に影響し合っています。そうだと分かっていても、自分が「見たいように見ている世界」を頭の中だけで簡単に変えるのは難しいものです。

そして、なかなか人生の成果が上がらない人の最大の特徴は、「知識を仕入れるだけで、行動(アウトプット)をしない人」です。

ただ知識や手段を学ぶだけでなく、それを外に向けて実践・発信していくこと。さらにそのサイクルを習慣化し、自分の体験としてシェアしていくことが何よりも大切になります。

言葉によるアウトプットの王道、それが「日記を書くこと」です。
今回は、自分の本質とつながるための強力なメソッドとして「4行日記」をおすすめします。

【自分を客観視する「4行日記」のすすめ】

やり方はとてもシンプルです。毎日、以下の4行を書き出します。

1行目:【事実】今日起こった事実を客観的に書く
2行目:【気づき】その事実に対して自分が感じたこと、気づいたこと
3行目:【教訓】その気づきから得られた、普遍的な学びや教訓
4行目:【宣言】それらを踏まえた、明日への前向きな自己宣言

自分にとって良かったことも、悪かったことも含め、その時に感じている感情をそのまま言葉にして日記に落とし込みます。形式にこだわりすぎる必要はありません。何より大切なのは「習慣化すること」です。

【最も重要な条件:誰にも見せてはいけない】

そして、この日記を書き、続ける上で「最も大切な絶対条件」があります。
それは、書いた日記を「誰にも見せてはいけない」ということです。

誰にも見せないという絶対的な前提があるからこそ、私たちは社会的な建前や、人に言えないようなドス黒い本音、みっともない弱音を存分に書き出すことができます。だからこそ、自分の意識の深いところで、本当の自分自身との対話が可能になるのです。

大人の心にとって、「秘密を持つこと」は極めて重要な境界線になります。
親子の間だから、あるいは夫婦の間だからといって、境界線なく「なんでも喋らなければいけない」と思い込んでいると、心の器が脆い状態のまま公衆の面前で心を丸裸にされるような、精神的な暴力を自らに課すことになります。それがトラウマとなり、後々大きな問題を引き起こすケースは少なくありません。

日記は、他人のジャッジから完全に守られた安全な聖域であり、自分自身を最も客観視できる強力なツールの1つです。自分の都合の良いメガネを外し、本当の自分の声に耳を傾ける時間を、あなたも今日から始めてみませんか?